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顧客体験調査でロイヤルティ指標として使われているNPS®(Net Promoter® Score)とはどんなものですか?
ブランド満足度調査で「このブランドにとても満足している」と回答した人の多くが、そのブランドの商品を二度と購入していないことがわかった。
顧客は嘘をついているのだろうか?
それとも調査設問が悪いのだろうか?
2000年頃、ベイン・アンド・カンパニー社に在籍したフレッド・ライクヘルド氏らのチームは顧客調査の結果からこんな事実と疑問にぶつかりました。
そしておよそ10年がかりのフィールド調査の結果、再購入や顧客単価、口コミ発信など顧客の行動と相関の高い設問を発見しました。
従来であれば「このブランドに満足していますか?」と聞くところを、「このブランドを親しい人に推奨する度合いは?」と聞きます。
そして回答を0点から10点の点数で回答してもらい、回答に応じて以下のように3つの層に分類し、さらにその構成比からブランドの顧客ロイヤルティを示す指標を作りだしました。
発見された設問には『究極の質問』という名前が付けられています。
● 再利用する可能性は高い
● 購入単価向上の可能性も高い
● 他者に口コミする可能性も高い
● 再利用する可能性は高い
● 購入単価向上の可能性は低い
● 他者に口コミする可能性は低い
● 再利用する可能性は低い
● 他者に口コミする可能性は低い
NPS®は -100〜+100 の間の値を取ります。
推奨者が増えるか批判者が減ると数字は向上します。逆に、推奨者が減ったり批判者が増えると数字は下がります。
究極の質問のあとに必ず「その理由を教えてください」というフリーコメント設問を設置することになっています。
詳しくは書籍「ネット・プロモーター経営 〈顧客ロイヤルティ指標 NPS〉 で「利益ある成長」を実現する」(プレジデント社刊)で読むことができます。
NPS®が紹介されると実効性や実用性に注目が集まりました。そして導入した経営者がその素晴らしさを口コミで伝えて爆発的な勢いで伝播。現在も導入企業数は増えています。普及には専用のWebサービスも重要な役割を果たしてきました。
NPS®が高く評価されているのは以下の点です。
1と2はとくに経営者から評価されている点で、『現在の顧客の感情』をアンケートで聞くだけで近い将来の収益や利益の方向を掴むことができるという点で、NPSは企業状態をインデックスとしても利用されています。実際に複数の上場企業でNPSは株主向け報告資料に活用されています。
3と4は顧客と向き合う現場で評価されている点です。
3を実行するときには究極の質問を聞くとき、同時に顧客体験についての満足度を聞きます。それぞれの体験が究極の質問の回答とどれくらいの相関性があるのかを調べることで、『複数の顧客の目から見た強み、課題の体験』を特定することができます。現場のリーダーの経験や勘に頼らず、顧客の声をもとに顧客体験向上の活動を絞り込むことができ、効率的な運営を実現します。
4はNPS導入後に現場メンバーが驚くポイントでもあります。「お客様はこんなことを感じてくれていたのか」という生の声から、やる気をおこし、顧客への向き合い方を自発的に考える機会を生み出します。
NPS®、Net Promoter Score®はBain&Company、Fred Reichheld、Satmetrix Systemsの登録商標です
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