HOME | FAQ eNPS®指標について
従業員体験調査でエンゲージメント指標として使われているeNPS®(従業員Net Promoter® Score)とはどんなものですか?
eNPS®とは "employee Net Promoter® Score" の略で、会社や職場に対する従業員のエンゲージメント指標として活用されています。
エンゲージメントは「共感・愛着」と翻訳されますが、「会社や職場を自分の居場所と感じる感情」「会社や職場に自発的に貢献しようと感じる感情」と言い換えることもできます。
従業員に対してアンケートを実施し、以下の質問に回答してもらい、eNPS®を計測します。
【究極の質問】(職場)
「あなたの親しい知人や友人・親戚から、あなたの職場で働きたいと言われたとき、推奨する度合いはどれくらいでしょうか。0〜10点で答えて下さい」
上記の設問1問だけで計測するケースもありますが、弊社では追加してもう1問、以下の設問の設置を推奨しています※。
【究極の質問】(提供価値)
「親しい知人や友人・親戚があなたの職場が提供する商品やサービスを使ってみたいと言ってきたとき、推奨する度合いはどれくらいでしょうか。0〜10点で答えて下さい」
ふたつの設問の点数の平均値を算出して3つのセグメントに分類。それらの構成比からeNPS®を算出します。
※ 専門家によるeNPS活用に関するディスカッションで「職場推奨の1問での判定は実感値とギャップがある。商品やサービス推奨設問を追加した2問の平均値を使ったほうがより納得できる結果が得られた」という声を受け、弊社ではeNPS計測については上記2問の平均値を採用しています。
日本企業でも1問よりは2問での計測のほうがより実感値に近いことを確認しています。
eNPS®の【推奨者】
仕事に対する高いモチベーションを持ち、よりよい職場環境づくりや従業員間のコミュニケーション、すばらしい顧客体験の創造・提供に献身的に参加する従業員です。顧客へのよりより価値提供に関して、他の従業員をリードするようなポジティブな影響力を持っています。離職する可能性の低い従業員です。
eNPS®の【中立者】
仕事へのモチベーションも、職場への愛着や自社製品やサービスに対する誇りも人並み以上に持っている優良な従業員です。より良い職場環境づくりにも参加し、よりよい顧客体験の創造・提供にも献身的です。しかしながら、なにかしら引っかかりを感じる理由を持っており、離職の可能性は低いと言えません。
eNPS®の【批判者】
仕事への取り組み姿勢は比較的受け身または消極的で、よりよい職場環境づくりへの貢献は限定的。すばらしい顧客体験提供の可能性は高くありません。離職可能性が比較的高い従業員です。
スコアが3点以下の従業員は組織に対してかなりネガティブな感情を持っており、放置したままにしておくと顧客に対して質の悪い体験提供をしたり、組織の愚痴や批判的な口コミを社内外で発生させる可能性が高く、大きな問題に発展しかねません。
スコアの平均は業種や業界によって±20程度の差があり、業種・業界を超えての単純な点数比較はあまり意味がありません。
「前回の計測時からどれだけ改善したか」を見るための指標として活用するのが正しい利用方法です。
日本国内の企業におけるeNPS®の平均的な点数は-40〜-20程度です。
平均値がマイナスとなることに戸惑いを感じるかもしれませんが「eNPSが0」の状態とは推奨者と批判者が同率ということであり、従業員体験を向上させるためのなにかしらの施策を実施していると考えられます。
一概にスコア比較はできないものの、弊社でサポート実績のある企業の状態からは以下のような傾向が見られます。(クリックで拡大表示します)
指標の数値を見て「平均的なスコアよりよかった」「悪かった」などと確認するためだけの従業員体験調査は大きなリスクを伴います。
従業員は調査に協力する際、なにかしらの改善を期待して回答します。調査後に経営者や組織本部が改善に向けた行動をしないとわかると、従業員はエンゲージメントを低下させ、結果的にeNPS®は下がります。
従業員調査が原因で従業員のエンゲージメントが下がるのであれば、調査しないほうがマシ、となってしまいます。
ではどのように活用するのがよいのでしょうか?
現在の従業員エンゲージメントを支えている従業員体験・みなが課題と感じている従業員体験を洗い出し、新しい従業員体験をデザインし、経営者や組織の本部が率先して改善活動を実施するための「メーター」として利用します。
つまりeNPS®そのものに注目するのではなく、そのスコアの背景を正しく理解し、強みである従業員体験の拡大、課題となる従業員体験の理解、改善活動の策定と実行に軸足を置きます。それら取り組みを一定期間以上(半年〜1年程度)継続した後にあらためて調査を実施して指標の変化を確認します。
「取り組みによって、課題となっている従業員体験の評価は向上したか? eNPS®は向上したか?」
こうした観測・理解・決断・実行のループがよりよいチームを作ります。
【1. プロジェクトの立ち上げ】
調査〜施策実行〜振り返りまでを見通し、プロジェクトチームを組成します。
・手順とスケジュールの企画
・プロジェクトメンバーと役員の巻き込み
・既存データの収集
・調査のためのツール・外注等の利用検討と予算獲得
【2. 調査の実施】
従業員に調査し、eNPS®と個別の従業員体験満足度を計測します。
・従業員体験ジャーニーのリストアップ
・サーベイ設計
・社内マーケティングと調査実施
【3. 状況の理解】
調査票を分析し、現状と強み・課題項目の背景を理解します。
・既存データと調査データの結合
・分析&現状理解
・経営や組織本部へのレポート
【4. 施策の策定】
強みと改善すべき従業員体験を特定して体験をデザインします。
・新しい従業員体験のデザイン=改善方針
・改善取組のアクションプラン
・改善確認の指標(Key Results)の設定
【5. 施策の実行】
改善施策を実行し、習慣化を図ります。
・施策の実行
・実行の確認
・補助調査(パルスサーベイ)の実施
トリムタブジャパンはeNPS®の計測だけでなく、従業員体験の改善プロジェクトの推進のサポートをしています。
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